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エンデバー 危険な賭け 22日未明(日本時間)命がけの帰還

NASAは23日(日本時間)に予定されていた「エンデバー」の帰還を「ハリケーン ディーンの」影響を避けるため22日午後一時(日本時間)に繰り上げると発表した。
 
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今回のエンデバーの帰還は別の意味で極めて危険なミッションとなることだろう。
NASAは16日に「エンデバー」の船底の損傷した耐熱タイルを修理しないことに決めている。損傷の状態は縦9cm、幅5 cmで、一部厚さ2.8cmのタイルが欠損し、内側の耐熱布が露出している。大気圏突入時のシミュレーション実験の結果、タイル はセ氏一千度以上に晒されるが、耐熱布の内側のアルミ材はNASAが許容範囲とする177度を下回り、深刻な影響はないとの結論に達したという。
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スペースシャトルの耐熱材の損傷と言えば、2003年コロンビア号の帰還時における大気圏突入時の空中分解が記憶に新しい。今回の損傷具合は、2年前にシャトル飛行を再開して以来、最も深いものだという。この損傷は今月8日におこなわれた打ち上げ時に、外部燃料タンクの断熱材が脱落し、タイルに衝突したのが原因とみられている。 

今回何故NASAはこれまでと同様に軌道上で修理しないのだろうか。その最大の理由は、損傷の箇所に修理のための船外活動に必要なロボットアームが届かないことにある。そしてロボットアームなしでの修理活動のリスクと帰還時のリスクを比較し、修理しないという結論に達したという。                    
 だが今回の損傷箇所である「エンデバー」の船底は、大気圏突入時にブレーキの役目をはたすために大気との摩擦熱で最も高熱を帯びる部分でもある。たとえシミュレーションで確かめたといっても実際の状況を正確に再現できているわけではないだろう。突入角度によっては万が一剥き出しの耐熱布が高温に耐え切れずシャトル内部までその熱が入り込んだら、まさにコロンビア号事故の再現となる。

2005年8月にアメリカ南東部を襲ったハリケーン・カトリーナ、また本年8月2日ミネソタ州ミネアポリスで発生した高速道路にかかる橋の崩落事故でもわかるように、近年アメリカ社会は膨大な軍事費をまかなうため、国民生活の安全に直結するに社会的インフラに対する予算が削減されてき続けている。コロンビア号の事故もNASAへの予算削減が根本原因といわれている。

今回エンデバーのミッションクルーには、1986年1月28日、打ち上げ後73 秒後に爆発した「チャレンジャー号」の乗組員だった現役女性教師Christa McAuliffeさんのバックアップ要員Barbara Morganさんが乗り組んでいる。彼女は教師を続けるかたわら夢の実現をあきらめず、1998年に正規の宇宙飛行士として選ばれ今回のミッションで念願の宇宙授業という大任をこなした。
かえすがえすもコロンビア号の再現が起こらないことを祈るばかりである。
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by tsune2514 | 2007-08-20 15:19 | 政・経コラム
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