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カテゴリ:将棋( 16 )

森内名人4連敗で名人位を失う。羽生挑戦者4年振り名人に復帰。

5月20、21日の2日間に渡り、千葉県成田市の成田山新勝寺で行われた「第72期名人戦七番勝負第4局」は挑戦者の羽生3冠が勝利し、これで羽生三冠は4期ぶり通算8期目の名人位に返り咲いた。
一方、3期連続で羽生善治三冠の挑戦を跳ね除けてきた森内名人だったが、今期は一勝もできず、呆気なく名人の座を明け渡してしまった。この結果、昨年暮れ、当時の渡辺竜王を4勝1敗で破り竜王名人となった森内棋士は、わずか半年足らずで、竜王の一冠のみ保持することとなった。

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  [第4局一日目、4局連続で手を封じる手森内名人]

    
本日の第4局、森内竜王は後手番ながら、積極的に動き、後手番ではあまり例がないという角交換を選び、2枚の桂馬を早々と跳ね、攻撃的布陣を敷く。
そして中盤以降、やや森内側に優位な局面が続き、終盤はっきりと羽生挑戦者陣営に手がつき、見落としがなければそのまま押し切れる局面まで来た。しかし、持ち時間が羽生挑戦者より1時間以上少なく、10分以下になり最後の最後に読みを誤り、守りにも攻撃にも効いていた飛車を成り捨て、羽生陣営の玉に詰めろをかけるが、結局この手が敗着となった。考慮時間に余裕ある羽生挑戦者は、この時点でじっくり読みをいれ、詰めろ逃れの詰めろで4二に角を打ち王手をかけ、逆転に成功。待望の名人復位を果たした。

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          [森内名人が8七に飛車を成り捨てた局面]


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            [投了図]

森内竜王が今回の名人戦で1勝もできず敗退した原因は、やはり結果論だが、竜王位を獲得し将棋界を象徴する2大タイトルを併せ持ったからとしか考えられない。森内竜王自身しか真実はわからないのだろうが、2大タイトルを独占することで気持ちの中で何かが変わったのだろう。
森内竜王は過去にも同じような経験をしている。2003年末、当時羽生竜王に挑戦した森内九段は、4連勝で初の竜王位となり、翌2004年の名人戦で当時の羽生名人を4勝2敗で破り、名人位を奪取。初の竜王・名人となる。だがその年の暮れの竜王戦で当時新進気鋭の渡辺明六段に3勝4敗で破れ、竜王のタイトルを失っている。
それだけ竜王・名人の2大タイトルを保持し続けることは、大変なことなのだろうと思われる。

森内竜王には4年ぶりとなった今年度の順位戦を勝ち上つて、是非とも来年の名人戦に挑戦してもらいたいものです。
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by tsune2514 | 2014-05-22 02:25 | 将棋

どうした森内名人。第72期名人戦で挑戦者羽生三冠に三連敗しカド番に追い込まれる。

5月8、9日の2日間に渡り、佐賀県武雄市・湯元荘東洋館で行われた「第72期名人戦七番勝負第3局」は挑戦者羽生3冠が勝利し、これで森内竜王・名人に3連勝となり、名人位奪取まであと1勝となった。一方69期名人戦で当時羽生名人から名人位を奪取し、以降70期4勝2敗、71期4勝1敗と羽生現3冠の挑戦を大差で退けてきた現森内竜王・名人は、名人位失冠のカド番に立たされた。


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              [第72期名人戦第3局 感想戦の様子]

問題は3連敗の森内名人の内容が悪すぎることだ。3戦とも中盤羽生三冠に僅かに有利な局面になると、それ以降優位が拡大したまま終局を迎えてしまうことだ。今度の第3局も、終盤詰むか詰まざるかの1分将棋にはならず、森内名人は18分、羽生3冠は24分考慮時間を余している。また第2局も森内名人は20分時間を余し89手の単手数で敗れている。1局目こそ178手の長手数の戦いとなったが、88手目、羽生陣営の2つの角が森内陣営を直射した時点で、既にこの勝負のあやは羽生側に傾いていた。

森内名人の、今回の名人戦での3連敗の原因はどこにあるのだろう。現在森内名人は決して不調ではない。むしろ他の棋戦では好調を維持している。昨年末竜王位を当時の渡辺竜王から4勝1敗で奪取以降、勝率は7割を超え、4月30日には第85期棋聖戦挑戦者決定戦に勝ち、羽生棋王への挑戦を決めいている。

実は森内名人は、昨年竜王位を奪取するまでは、他の棋戦で活躍することは殆どなかった。名人戦以外では2006年に羽生棋王への挑戦、2009年渡辺竜王への挑戦以降、一度も他の棋戦で挑戦者になっていない。
思うに森内名人は、2011年に名人位を奪取して以来、名人位を死守してきた3年間だったが、竜王位という名人に並ぶ2大タイトルを併せ持つことで、心にわずかな隙が出来たというのは思い過ごしだろうか。
しかし名人といえど人の子である。竜王位を取る前の森内名人にとって、名人位を失うことは無冠に陥ることを意味した。ところが竜王・名人となったいま、仮に名人位を失っても竜王のタイトルは名乗れる。
森内竜王・名人と羽生三冠の本来の棋力の差はないと言って良いだろう。あとはタイトル防衛及び奪取にかける気力の問題となるのだろう。
一度わずかでも緩んだ気力を、短期間で再び元に戻すことは非常に困難と思われる。しかし私ならずとも多くの将棋ファンにとって、このまま森内名人が本来の研ぎ澄ました指し手を見せないまま、本棋戦を終えることは残念でならないだろう。
最終的な勝敗はともかく、出来うるならばコンピューターソフトをも凌駕する指し手の応酬で、見ごたえるある名人戦を一戦でも多く見たいものである。
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by tsune2514 | 2014-05-11 00:47 | 将棋

加藤桃子一級、3勝1敗でマイナビ女子オープンのタイトル奪取し新女王戴冠!

本日5月8日、大阪・関西将棋会館で女流棋戦最高峰の「第7期マイナビ女子オープン」五番勝負の第四局が開催された。
これまでの三戦の結果は、タイトルホルダー里見香奈女王が1勝、挑戦者加藤桃子奨励会一級が2勝をあげ、女王のタイトル奪取に王手をかけていた。

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           [里見女王の先手番で開始された五番勝負・第四局]

この日先手番となった里見女王は、飛車を7筋に振り最も得意としている「石田流三間飛車」戦法を選択。一方加藤桃子一級は、いつも通り居飛車を選択し、34手目には1一に玉を動かし穴熊を目指す。しかしこの時加藤の玉と金が離れ、穴熊に蓋がされていない危険な構えとなった。里見女王はこの瞬間を見逃さず、角で加藤の玉を直射し猛攻を仕掛ける。

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         [35手目、加藤の玉を直射する里見の角]

これ以降、里見の攻めに対し加藤は防戦一方となり、102手目には加藤陣営を里見の香、金、飛、角の4枚の責め駒が睨みつけ、里見の勝勢となった。

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         [里見女王勝勢の局面]

しかし終盤、加藤より先に時間を使い切り一分将棋になった里見は、ここから疑問手を連発。終盤時間を残していた加藤は的確な守りの手を指し続け、粘りに粘り里見の責めを切らし、ついに逆転し見事3勝1敗で女王のタイトルを獲得した。
この勝利で加藤桃子一級は、昨年12月13日「女流王座」のタイトルを里見香菜2冠(当時)奪われたリベンジを果たすことになった。
しかし加藤が敗れた第二局目は、加藤は中盤まで優勢に進めていたが、いつもの悪い癖で無理攻めをして逆転されている。こんな将棋を指しているようでは、いつまでたっても奨励会1級で足踏み状態が続くことになる。
今はプロ棋士より強いソフトがある。「電脳戦」に出場したプロ棋士は、皆その後プロ棋士同士の対戦で成績が良くなるという。それは事前の練習将棋で強い相手(ソフト)と集中して対戦することにより、短期間で棋力が向上する効果が確実にあるのだろうと思われる。今年の電脳戦で唯一ソフトに勝利した豊島七段は、事前に対戦ソフト「YSS」と1000局指したという。一般的にアマトップより棋力が落ちるという女流棋士同士でいくら対戦しても、決して棋力は向上しない。これはどの競技にも言えること。スポーツでも強い相手と戦ってこそ自分の弱点が見えてくるものだ。加藤桃子一級が本当にプロ棋士を目指しているなら、豊島七段を見習って、時間のある限り強いソフトと何千局も指すことだ。おそらくその方法が、プロ棋士となる一番の近道であると思われる。


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       [加藤桃子新女王]

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       [敗れた里見香菜2冠(女流王座・王位)

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                  [投了図]


<マイナビ女子オープン ウェブサイト>
http://mynavi-open.jp/index.html

[加藤桃子新女王の勝利者インタピュー]
https://www.youtube.com/watch?v=vvuE2GZZNj4&feature=youtube_gdata
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by tsune2514 | 2014-05-09 00:03 | 将棋

第24回世界コンピュータ選手権が開催される。プロ棋士も解説不能な妙手連発。

5月3日から5月5日の3日間に渡り、恒例となった世界コンピュータ選手権(第24回)が開催された。
参加ソフトは全部で38ソフトとなり、その内8ソフトが本日5日に行われた決勝戦に進出、総当りのリーグ戦で戦った。
尚、決勝に進出したソフトは、「激指、NDF、ツツカナ、Bonanza、ponanza、YSS、N4S、Apery」の8ソフトで、この内ツツカナ、ponanza、YSSは、本年3月に行われたプロ棋士と将棋ソフトの団体戦「第3回電脳戦」に出場している。
結果は、ツツカナが森下卓九段、ponanzaは屋敷伸行九段に勝利。YSSは豊島将之七段に敗れている。またこの電脳戦でプロ棋士に勝利したあと2つのソフトのうち、「習甦(しゅうそ)」は本日の世界コンピュータ選手権は二次予選で敗退、「やねうら王」は不参加だった。

そして見事第24回世界コンピュータ選手権で優勝したのは、5勝2敗の「Apery(開発:大阪市立大学数理工学研究室)」となり、2位には同じく5勝2敗の「ponanza(開発:山本 一成、下山 晃の両氏)となった。Aperyとponanzaは同じ勝ち星となったが、大会規定で直接対決で勝利したAperyが一位となっている。

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   [優勝した将棋ソフトAperyの開発チーム(大阪市立大学数理工学研究室)

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  [惜しくも同率二位となったponanzaの開発者山本 一成(左)、下山 晃の両氏]

今日の世界コンピュータ選手権の対戦を見ていたが、コンピュータソフトの進歩の著しい進化が垣間見えた一日となった。
解説はプロ棋士の遠山雄亮五段と勝又清和 六段が行ったが、事実上の決勝戦となった「Apery VS ponanza 戦」では、終盤プロ棋士も解説不能な指し手を両ソフトが連発。明らかにコンピュータソフトがプロ棋士の思考を凌駕する場面が幾度となくみられた。しかし最終版の局面評価では、どちらのソフトも自らが有利と形勢判断していたが、遠山雄亮五段は「Aperyが優勢」と断定。結果もその通りとなった。この局面評価の判断力を見る限り、プロ棋士もまだまだソフトに負けてはいないと思われ、一方優勝したAperyは、プロ棋士に近い形勢判断ができる、かなり優れたソフトだという印象をもったのも事実である。

いずれにしても、もし来年「電脳戦」が行われるとするならが、森内竜王・名人、羽生3冠、渡辺2冠の各タイトルホルダーの内いずれか一人が出場しなければならないことは、必至と思われる。

[第24回世界コンピュータ選手権ウェブサイト]
http://computer-shogi-live.cocolog-nifty.com
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by tsune2514 | 2014-05-05 23:53 | 将棋

将棋電脳戦。大将格屋敷九段も破れプロ棋士側1-4で昨年に続き惨敗。

4月12日、東京将棋会館でプロ棋士5人と将棋ソフト5つの団体戦「将棋電脳戦」の第五戦が行われ、プロ棋士は昨年度までA級に所属していた屋敷九段、そして2013年第23回世界コンピュータ将棋選手権で2位になった強豪ソフトのPONANZAとの対戦となった。
この一戦、先手番の屋敷九段は居飛車で横歩取りに誘導する。対するPONANZAも居飛車でプロ側の指し手に自然な手で追随する。局面は夕食休憩の時間になっても優劣がつかない状況が続いたが、終盤に入り屋敷九段に疑問手が数手続き、その手を見逃さなかったPONANZAは次第に優勢を拡大、屋敷九段は最後まで諦めず粘ったが自王の詰を確認し、130手目で潔く投了した。

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  [電脳戦対局風景:左DENSO製ロボット「電王手くん」、右屋敷九段]

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<電脳戦終了後の記者会見:右から谷川会長、田丸立会人、屋敷九段、ponanza開発山本氏、左端ドワンゴ川上会長>

これで今年の電脳戦はプロ側の1勝4敗となり、昨年の1勝1分3敗に続きプロ棋士の完敗となった。
今年の電脳戦は昨年とソフト側の条件が異なり、ソフト側のバードスペック及び、ソフト開発に制限がかけられていて、プロ棋士側に有利な条件で実施された。ソフト側のハードの仕様は、複数のマシーンをネット経由で連携するいわゆる「クラスター構成」が禁止され、指定スペックのPC1台によるスタンドアロン構成に限定された。また電脳戦で使用するソフトは事前にそのソフトと対戦するプロ棋士に貸し出され、その間貸出したソフトのバージョンアップは禁止された。
この条件について日本将棋連盟の谷川会長(九段)は、「電脳戦」を共催する株式会社ドワンゴ(ニコニコ生放送運営)側の強い意向だったと語っている。これは電脳戦をニコ生で配信するドワンゴとしては、昨年の電脳戦の結果から、今年プロに有利な条件にしなければ、ソフト側のさらなる一方的な対戦結果になり、イベントとして続けることができなくなることを恐れてのことであろうと思われる。興行する側としては当然のビジネス上の判断だが、つまるところこの判断は、プロ棋士と将棋ソフトの勝負付が2013年の時点で済んでしまったことを意味している。
一方団体戦としてf、プロ棋士側の敗退がすでに決まっていながら、本日の電脳戦はニコ生で配信され、60万人がネットで観戦するという大イベントとなった。また昨年の電脳戦を見て将棋ファンになったという観戦者も多数いたという。
しかしこの人気のある将棋イベントを来年も維持しようとするなら、私も再三ブロクで発言しているが、プロ棋士側は現在のタイトホルダー森内竜王名人、羽生三冠(王位・王座・棋聖)、渡辺二冠(王将・棋王)の内、少なくとも一人は出場させなければ将棋ファンは納得しないだろう。今日のニコ生を見てもわかるが、単にプロ棋士と将棋ソフトが対戦するだけでは60万人も観戦しない。必ずプロ棋士による解説があってこそ、将棋初心者でも対戦を楽しめるイベントとなる。将棋のプロ棋士制度は、徳川時代から続く世界で日本だけの制度である。ソフトがプロ棋士より強いことは昨年、今年の「電脳戦」ではっきりしたが、同時にプロ棋士の存在意義もこれまで以上に高まったと言えるだろう。
将棋電脳戦が来年以降も続くかどうかは、日本将棋連盟が姑息にタイトルホルダーとソフトの対戦から逃げ回るのではなく、堂々とタイトルホルダーを「電脳戦」に出場させるという勇気が持てるかどうかにかかっていることは間違いない。

[駒着手ロボット電王手くんの動画]
http://www.nicovideo.jp/watch/1394373831

[将棋電脳戦ウェブサイト]
http://ex.nicovideo.jp/denou/
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by tsune2514 | 2014-04-13 01:13 | 将棋

第7期マイナビ女子オープン第一局、加藤桃子一級最善手の応州で初戦完勝!

本日3月26日、東京・池上本門寺で、女流棋戦の「第7期マイナビ女子オープン」が開催された。
対戦はタイトルホルダーの里見香奈女王と、予選から勝ち上がり、最後は清水女流6段を下して挑戦者となった加藤桃子奨励会一級との戦いとなった。この二人は昨年10月から12月かけて「第3期リコー杯女流棋戦五番勝負」で激突、タイトルホルダーの加藤女流王座が1勝3敗で破れ、タイトルを失っている。
今回加藤桃子一級にとってはいわば昨年のリベンジとなる戦いとなった。

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           <振り駒で加藤桃子一級が先手番となる>

この日先手番となった加藤桃子一級は、いつも通り居飛車を選択。また里見女王も得意の中飛車・見美濃囲いに構える。この試合序盤は前例の多い定石手順で進行したが、昼食休憩前の局面では、先手加藤一級の銀二枚、飛車、角が里見陣営を睨みつけ、55手目で早くも先手加藤桃子一級が優勢となる。

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        <55手目、加藤桃子一級が優位に立った局面>

午後は本殿から「楓の間」に場所を移して再開され、里見香奈女王は午前中に着ていた着物を脱ぎ、午後の難しい局面に望んだ。しかしこの日の加藤一級の攻めは的確で、昨年の戦いで勝っていた将棋を自らのポカで自滅し敗退した時とは見違えるようだった。全ての着手が最善手もしくは好手で、疑問手は一つもなかったと言って良い完勝譜となった。結局里見女王は一度も加藤陣営に王手がかからず、短手数の93手目で投了となった。

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                    <93手目・投了図>

なお、里見香奈女王は、体調が悪くこの棋戦を終えたあと、半年ほどの休養に入るという。今日の敗戦は体調の影響も大きいと思われるが、十分ケアして女王及び女流3冠として、良い戦いを見せて欲しいものだ。

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<幸先よく初戦を勝利した加藤桃子一級>

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        <感想戦の模様:(左)里見女王、(右)加藤一級>


<マイナビ女子オープン ウェブサイト>
http://mynavi-open.jp/index.html
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by tsune2514 | 2014-03-26 22:07 | 将棋

茶番と化した将棋「電王戦」、現役プロ棋士2連敗で後がなくなる。

3月22日、コンピューター将棋ソフト5つと、プロ棋士5人が戦う、第3回将棋電王戦・第2局が、両国国技館の特設会場で実施された。ソフト側は昨年11月4日に行われた「将棋電脳決勝トーナメント」で4位となった「やねうら王(開発者:磯崎元洋氏)」が出場。プロ棋士側は、順位戦C級2組の佐藤紳哉六段が、二番手として出場した。

先手番の「やねうら王」は、初手に1六歩と端歩をつく意表を見せたが、その後は飛車を6筋に振る四間飛車戦法を取る。それに対し後手番の佐藤紳哉六段は、居飛車穴熊戦法をとる。両者がこの戦法をとった場合、プロ棋士同士の実績では、【居飛車穴熊】側の勝利が7割~8割にもなるという。しかし結果は95手という比較的短手数で、佐藤紳哉六段が投了。ソフト「やねうら王」が勝利した。これで第1局目の「菅井竜也五段(順位戦C級1組)vs 習甦」に続いで、プロ棋士側が2連敗となり、団体戦の勝利のためには、残り3連勝するしかなくなった。
尚、第3局「豊島将之七vs「YSS」戦は、3月29日大阪市の「あべのハルカス」で開催される。

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<第2局対戦風景。ソフト側はDENSO製の将棋専用ロボット(電王手くん)が駒の着手をする。 by 共同>

佐藤六段は終局後、「プロが弱いのではなく、自分が弱い」と敗戦の弁を述べた。これは「自分より強いプロ棋士はまだまだいる、今回の自分の敗戦でプロ棋士全体が破れた訳ではない」と言いたかったようだが、単なる負け惜しみにしかならない。
1局目は先手番の菅井竜也五段が、持ち時間を余し98手で、こちらも比較的短手数で投了に追い込まれた。通常力量が接近したプロ棋士同士の対戦であれば、終盤は「詰むや詰まざるや」の局面が何十手も続き、最後は一手差違いになる。だが第3回将棋電王戦の2局を振り返ると、内容でもソフトがプロ棋士を圧倒している。

ちなみに今回「電王戦」出場している5つのソフトには、2013年世界コンピュータ選手権で、1位、3位、4位、5位となったソフトは参加していない。
このことは、上位ソフト側の開発者が、昨年行われた第2回将棋電王戦でソフト側の3勝1敗1引分(持将棋)になった結果を受け、「プロ棋士とソフトとの勝負付は済んだ」と判断していることを意味している。

本来であれば、昨年のプロ棋士側の惨敗を受け、今年の電王戦にプロ棋士側は、タイトルホルダーを出すべきだったのだ。ソフトは日進月歩で進化し続ける。しかし人間は、年齢とともに衰えていくことは自然の摂理である。今年タイトルホルダーの「森内竜王・名人、羽生三冠、渡辺二冠」がソフトとの対戦を回避することで、来年はますます、プロ側タイトルホルダーはソフトに勝利する可能性を失っていくことになる。

恐らく今年の電王戦は、良くてプロ側の一勝四敗、もしくは5戦全敗の可能性もかなり高いと思われる。
この状態で、来年タイトルホルダーが出場しなければ、二番煎じ、三番煎じの電王戦となり、将棋ファンの大半が、見向きもしなくなる「イベント」となることは間違いない。


<将棋電王戦 専用サイト>
http://ex.nicovideo.jp/denou/3rd/index.html

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by tsune2514 | 2014-03-23 23:17 | 将棋

女流王座戦第4局。加藤女流王座、序盤で読み間違え完敗。里見香奈新女流王座に。

12月13日「第3期リコー杯女流王座戦五番勝負」の第4局が 「関西将棋会館」 で行われた。これまでの戦績は加藤桃子女流王座が1勝2敗とカド番に立たされ、本局に敗れると女流王座を失冠するという厳しい状況追い込まれての戦いとなった。
加藤女流王座の先手番で開始された本局、加藤はいつも通りの居飛車に対し、里見女流2冠は、本棋戦初めて得意の中飛車に構え、本局で必勝を期す意気込みを見せる。この里見の意欲に尻込みしたのか、はたまた前局で終盤悪手を指し勝ちを逃したトラウマからか、前半で読み間違いをして早々と劣勢に陥る。

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<28手目里見に5五歩と打たれた局面。加藤の5六の銀を左右どちらか下に引けば形勢はまだ五分だった>

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<加藤が5六の銀を6五と上がり、30手目里見が5三銀と上がった局面では早くも先手が劣勢となった。>

30手目以降劣勢に立たされた加藤は、受けに回り粘りを見せることもなく、やぶれかぶれの無理攻めに走るが、里見にそつなく切り返され比較的短手数の106手目で投了となった。

これで加藤は女流王座を失い、里見は初の女流王座となり、女王、女流名人と合わせて3冠となった。
加藤は現在、「第7期マイナビ女子オープン」の挑戦者決定戦で準決勝まで勝ち上がっており、もしこのまま勝ち進み挑戦者になった場合、来春には里見女王と再度タイトル戦を争う事になる。

本棋戦を振り返ると、やはり女流棋士の棋力はプロ棋士と比較し、まだまだと言うのが正直なところだろう。
おそらく現在の女流棋士のなかでは、今年プロ棋戦の王位戦予選で深浦A級九段を破った、甲斐智美女流2冠が最強女流棋士ではないかと思われる。
里見3冠は現在関西奨励会に所属し3段まで目前となっているが、3段リーグ戦(関東、関西合同)を勝ち上がり、半年に上位2人が4段(プロ棋士)になるという厳しい戦いを勝ち抜くのは、現状の力量では至難の技と思われる。

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<終局後の両対局者:右・里見新女流3冠、左・加藤桃子前女流王座>

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<投了図>

[リコー杯女流王座戦のウェブサイト]
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/index.html
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by tsune2514 | 2013-12-15 19:29 | 将棋

女流王座戦第3局。加藤女流王座、勝ち将棋を自爆で破れカド番に!

昨日12月4日、女流棋戦最高峰「第3期リコー杯女流王座戦五番勝負」の第3局が静岡市「浮月楼」で行われた。これまでの戦績は加藤桃子女流王座と挑戦者里見香奈女流2冠の1勝1敗と5分。本局に勝った方がタイトルに王手をかけることになる。
午前10時に里見の先手番開始された戦いは、互いに居飛車の戦型となり、里見は早々と玉を左に寄せ金銀でがっちり囲う。一方後手番の加藤女流王座は、居玉のまま左銀を5四まで繰り上げ「腰掛け銀」に構え里見陣営への速い攻めの姿勢を見せる。そして昼食休憩開始直後、この銀が3六の地点まで進出。結局46手目で銀と角の交換となり、加藤女流王座が駒得で優位になる。このあとも加藤の攻めは続き、里見からの有効な反撃がないまま81手目で、明らかな加藤女流王座の勝勢の局面を迎える。この時点で里見女流2冠の持駒は桂が一枚、歩が2枚。唯一の攻め駒の飛車を加藤陣営に成り込みたいが、加藤の飛車がガッチリ受けに効いていて、里見には攻めの手がかりが全くない状態となった。

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<加藤女流王座勝勢の81手目の図>

恐らく(女流でない)プロ棋士なら、投了してもおかしくない局面であった。ここで加藤は落ち着いて一枚ずつ里見陣営の守りの駒をはがしていけば、自然に勝利になったはずだったが、突然一気に駒を捨てて決めに入った。82手目で加藤は、攻め駒として補充できる里見陣内の4八の銀を馬で取らず、4五に馬の位置を変え続く84手目で8六に桂馬を打ち込み一気に攻め潰す方針を選択する。これは正確に詰まで読み切っていなければとてもさせない手順。中途半端な読みでは相手に駒を渡すことになり、一気に逆転してしまう危険がある。そして結果もその通りになり、里見2冠が勝利し女流王座のタイトルに王手をかけた。

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<加藤女流王座自爆の84手目の図>

82手目の局面でただの銀を取らないのは、将棋の初心者でも竜王・名人でも考えられないであろう。間違いなく100人が100人、4八の銀は取る。加藤は本棋戦2局目も優勢に終盤まで進み、後一歩のとこで悪手というよりはど素人のような手を指して自滅している。理由は不明だが、何か自分は強いとカン違いしていて、読み切ったつもりで実際は不正確な読みで自爆しているような気がしてならない。

里見女流2冠は今年後半に入り、タイトルを連続して3つ失い5冠から2冠に後退。決して本調子とは言い難い。本棋戦も全くいいところがないが2局、3局は、終盤加藤女流王座が勝手に転がり勝ちを拾ってきた。
加藤女流王座は自分はまだまだ自分は強くはないと自覚し、丁寧に最後の最後までしっかり読み切れば、後の4局、5局を連勝してタイトルを防衛することは、それほど難しいことではないと思われる。

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<終局の様子:左破れた加藤女流王座、右勝利した里見女流2冠>

どちらがタイトルをとるにしても、女流棋士の将棋によくある素人もどきの「ぐだぐだ」の終盤は、本棋戦ではもう見たくはない。
女流王座戦は全プロ棋士(+女流タイトル者)が争う「NHK杯テレビ将棋トーナメント」と同じ、500万の賞金がかかっている。
すくなくとも加藤女流王座、里見女流2冠は、このタイトルに値する「棋譜」を残す義務があることを自覚しなければならない。

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<投了図>
[リコー杯女流王座戦のウェブサイト]
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/index.html
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by tsune2514 | 2013-12-05 19:56 | 将棋

将棋の頂上決戦、第26期竜王戦第5局。森内名人が勝利し9年振りに竜王復位!

第26期竜王戦第5局が、11月28、29日の2日間にわたり富山県黒部市宇で行われた。
この戦いは森内名人の先手番で開始され、戦型は4局目と同じオーソドックスな持久戦矢倉になった。ただし4局目は先手番が渡辺竜王で、結果は後手番の森内名人が勝利している。これはまるで森内名人が、『この戦型なら先手でも後手でも自分の方が上手指せると』と渡辺竜王に宣戦布告しているようなもの。

一日目の午前中は第4局をなぞる様に、ほとんど時間を使わず、59手目までは全く同じ手順で進行する。
そして昼食休憩再開後の63手目、森内名人は前例のない5七金を指し、相手の馬に当てる。馬で5七金を取ると自分の飛車が取られる。勝負を決する岐路となった場面だったが、渡辺竜王はそれほど時間を使わず、決然と5七金を取る決断をする。飛車と金の交換でその時点では明らかな駒損だが、相手玉に馬が近づく手の方が上回ると判断したと思われる。

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         <一日目、森内名人63手目「5七金」の盤面>

しかし結果的にはこの渡辺竜王の決断が、本局の勝利を森内名人に傾かせたようだ。ただし一日目の形勢は後手番渡辺竜王を支持する棋士が多かった。そして二日目、渡辺竜王の攻めを森内名人が受け、優劣不明の状態が98手目まで続いたが、99手目に森内名人が相手陣内に3三桂と詰めろをかけると、形勢は森内名人に傾く。その後も本局を負けると竜王位のタイトルを失う渡辺竜王は、必死に攻め続けるが森内名人は全て受け切り、最後森内名人の玉はどんな駒を相手に渡しても詰めろがかからない、所謂"Z"の形になり勝負は決した。

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          <第5局を勝利した森内名人>
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         <竜王位を失冠した渡辺現2冠>

森内名人は、2004年に当時新鋭の渡辺6段に竜王位を奪取されている。今日の勝利で9年ぶりに竜王に復位し、リベンジを果たしたことになる。
森内名人は本棋戦開始前のインタピューで、『名人として挑戦します』と語っている。当たり前のことを言っているようだが、竜王と名人は他の5つのタイトルとは別格のタイトルで、日本棋院が発行する免状に署名する資格がある。その竜王と名人が戦うのだから、どちらが本当に強いのかと言うことになる。竜王のタイトルは1988年にそれまでの十段戦が発展解消して始まった新しい棋戦のタイトル。それと比較し名人位の発祥は1612年の徳川幕府の時代に遡る。森内名人は『歴史ある名人のタイトル保持者が竜王に負けるわけに行かない』という思いで本棋戦に立ち向かったのではと思われる。
そして今日、森内名人は「竜王・名人」の2大タイトルを併せ持つ将棋界最高位に立つことになった。

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                          <感想戦の模様>
                
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                         <投了図>


<竜王戦中継サイト>
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
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by tsune2514 | 2013-11-29 22:24 | 将棋
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