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2013年 12月 05日 ( 1 )

女流王座戦第3局。加藤女流王座、勝ち将棋を自爆で破れカド番に!

昨日12月4日、女流棋戦最高峰「第3期リコー杯女流王座戦五番勝負」の第3局が静岡市「浮月楼」で行われた。これまでの戦績は加藤桃子女流王座と挑戦者里見香奈女流2冠の1勝1敗と5分。本局に勝った方がタイトルに王手をかけることになる。
午前10時に里見の先手番開始された戦いは、互いに居飛車の戦型となり、里見は早々と玉を左に寄せ金銀でがっちり囲う。一方後手番の加藤女流王座は、居玉のまま左銀を5四まで繰り上げ「腰掛け銀」に構え里見陣営への速い攻めの姿勢を見せる。そして昼食休憩開始直後、この銀が3六の地点まで進出。結局46手目で銀と角の交換となり、加藤女流王座が駒得で優位になる。このあとも加藤の攻めは続き、里見からの有効な反撃がないまま81手目で、明らかな加藤女流王座の勝勢の局面を迎える。この時点で里見女流2冠の持駒は桂が一枚、歩が2枚。唯一の攻め駒の飛車を加藤陣営に成り込みたいが、加藤の飛車がガッチリ受けに効いていて、里見には攻めの手がかりが全くない状態となった。

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<加藤女流王座勝勢の81手目の図>

恐らく(女流でない)プロ棋士なら、投了してもおかしくない局面であった。ここで加藤は落ち着いて一枚ずつ里見陣営の守りの駒をはがしていけば、自然に勝利になったはずだったが、突然一気に駒を捨てて決めに入った。82手目で加藤は、攻め駒として補充できる里見陣内の4八の銀を馬で取らず、4五に馬の位置を変え続く84手目で8六に桂馬を打ち込み一気に攻め潰す方針を選択する。これは正確に詰まで読み切っていなければとてもさせない手順。中途半端な読みでは相手に駒を渡すことになり、一気に逆転してしまう危険がある。そして結果もその通りになり、里見2冠が勝利し女流王座のタイトルに王手をかけた。

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<加藤女流王座自爆の84手目の図>

82手目の局面でただの銀を取らないのは、将棋の初心者でも竜王・名人でも考えられないであろう。間違いなく100人が100人、4八の銀は取る。加藤は本棋戦2局目も優勢に終盤まで進み、後一歩のとこで悪手というよりはど素人のような手を指して自滅している。理由は不明だが、何か自分は強いとカン違いしていて、読み切ったつもりで実際は不正確な読みで自爆しているような気がしてならない。

里見女流2冠は今年後半に入り、タイトルを連続して3つ失い5冠から2冠に後退。決して本調子とは言い難い。本棋戦も全くいいところがないが2局、3局は、終盤加藤女流王座が勝手に転がり勝ちを拾ってきた。
加藤女流王座は自分はまだまだ自分は強くはないと自覚し、丁寧に最後の最後までしっかり読み切れば、後の4局、5局を連勝してタイトルを防衛することは、それほど難しいことではないと思われる。

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<終局の様子:左破れた加藤女流王座、右勝利した里見女流2冠>

どちらがタイトルをとるにしても、女流棋士の将棋によくある素人もどきの「ぐだぐだ」の終盤は、本棋戦ではもう見たくはない。
女流王座戦は全プロ棋士(+女流タイトル者)が争う「NHK杯テレビ将棋トーナメント」と同じ、500万の賞金がかかっている。
すくなくとも加藤女流王座、里見女流2冠は、このタイトルに値する「棋譜」を残す義務があることを自覚しなければならない。

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<投了図>
[リコー杯女流王座戦のウェブサイト]
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/index.html
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by tsune2514 | 2013-12-05 19:56 | 将棋
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