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ソニーショック! パラマウント「HD DVD」採用へ


8月21日ハリウッド大手映画制作会社パラマウント・ピクチャーズとアニメ映画会社ドリームワークス・アニメーションは、今後東芝・NEC・三洋(マイクロソフト・インテルも採用) 陣営が推進する「HD DVD」規格だけを採用すると発表した。
 パラマウントはこれまでHDとソニー・松下陣営が推進するBD(Blu-ray:ブルーレイ・ディスク)の両規格を採用してきたが、今後BD規格のソフトは増産しないという。
この結果HD・BD規格の米国における映画ソフトの販売タイトル数は、両者とも約290で拮抗することになる。
 HD・BD両陣営の規格争いは、再生機、記憶媒体というハードのほか、どれだけ多くの対応ソフトを抱えるかというコンテンツ製作会社の方針が極めて大きな鍵を握っている。特に米国ハリウッド大手映画会社の動向は、両陣営の雌雄を決する最大の要因となっている。
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米映画スタジオ別のDVD販売シェア(出典、DVD EXCLUSIVE)

大手映画会社6社のうち現在BD陣営は、ソニー・ピクチャーズ・20世紀フォックス・ウォルトディズニーの支持を得ているが、HD陣営への参加はこれまでユニバーサル1社だけだった。(ワーナー・ブラザーズ、パラマウントはBD・HD両者の規格を採用)
だがここにきてパラマウントがHD単独採用へと方針転換したことは、BD陣営にとって極めて大きな痛手となる。パラマウントはHDのみ発売する理由として、「再生機の価格、メディアの性能、より低い製造コスト。」を挙げている。
私はソニーが民生用ビデオテープの規格争い(VHS vs Beta)で、ビクター・松下陣営に敗れたように、今回も惨敗すると考えている。
最大の理由はROMの複製コストの問題である。HD陣営はDVDの製造ラインを生かすためDVDとの互換性にこだわった。記憶容量はBDが大容量の可能性(1枚のディスクの多層化により最大200G)を秘めているが、パラマウントは現行HDの30Gで必要十分と判断している。それより今後販売数量が伸びてきた場合の製造コストのメリットを特に重視している。メディアの製造コストもBDは当初カートリッジ方式だったように、些細な汚れや傷に弱いためコーティングする必要があり、これもコストアップの要因となる。

ソニーはVHSとBetaとの戦いで、録音時間の差で負けたという「トラウマ」から抜けきれず、記憶容量でのアドバンテージが高いBD方式に固執したが、今回は製造コストの差で結局負けてしまうだろう。

ソニーは、独自規格でソニー製品でのユーザの囲い込みをするという伝統的戦略をまだ捨て切れていない。
Beta 、メモリースティクと独自規格で失敗続きのソニー。
こんどもBDという独自規格で勝負を賭けているが、ユーザの心を読めない儲ける事しか考えていない企業は、何度でも同じ失敗を繰り返してしまうものだ。
by tsune2514 | 2007-08-22 17:09 | PCニュース
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