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女子バレー「柳本ジャパン」のボトムネック

日本バレーボール協会は28日、世界選手権(10月31日開幕)女子代表として12人のメンバー(竹下、菅山、宝来、高橋みゆき、杉山、荒木、木村、小山、落合、高橋翠、井野、石川)を発表した。就任4年目、柳本監督は1978年以来7大会ぶりのメダル獲得をめざすことになる。
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柳本ジャパンは、8月~9月に行われたワールドグランプリにおいて予選・決勝を通じブラジル・ロシア・イタリア・中国には全く歯が立たず6位に終わった。結局現在の世界ランク7位という実力に見合った結果しか出せなかったことになる。

はたしてブラジル・ロシアという強豪チームに勝ち抜くため、今の柳本ジャパンには一体何が欠けているのか? 問題は監督にあるのか、選手か? 選手に問題があるとするならば、それは日本女子バレーのボトムネックは何か?という問題になる。私は一つに絞るなら、結論としてセッターの問題だろうと思う。
メディアでは現在のセッター竹下を「世界一のセッター」と煽っているが、果たしてそうであろうか? 確かに「頑張りやさん」という観点からは世界一かもしれない。しかし竹下の最大の弱点は身長159cmという「低さ」にある。其の弱点をカバーするため柳本監督は木村沙織を第二のセッターに育てようとしているが、うまく機能しているとはとても思えない。木村沙織はスパイカーとしては非凡な才能を持っていると思うが、決して器用な選手ではない。竹下は余りにも高さが無いため、「2アタック」がライバルチームのセッターに比べて極端に少なく(ワールドグランプリ全9試合でスパイクポイント5)、また又当然ブロックも期待が出来ない(同じく9試合でブロックポイント0)。

竹下のファイトあふれるプレーはレシーブにこそ生きると思うが、敵を欺くクレーバなトスワークが求められるセッターは、試合展開・相手の動きを分析する冷静なマインドが求められる。正真正銘世界一のセッターだった中田久美と比べるのは余りにもかわいそうかもしれないが、日本が現状から脱するためには、ある程度の高さがあり(少なくとも170cm以上)、良い意味で狡賢くクレイバーなセッターが必須条件となる。
竹下のトスワークは概して単調で、調子の良いアタッカーを連続して使うという癖がある。これでは相手に読まれてしまう。竹下はスーパーレシーバ(リベロ)兼サブ・セッターとして大胆にコンバートする事が現状のチームにとってベストの選択だと考える。

それでは新しいセッターは誰が相応しいのか。現在のメンバーから敢えて選択するならば、チームリーダーとしての資質、海外でのプレーに挑戦するという勇気、スパイク・サーブにおいても常に工夫を怠らない類まれなバレーボールへの情熱の持ち主、「高橋みゆき」がベストと考えている。

柳本監督が現状のままで選手全体のレベルアップを図っても、五十歩百歩におわるだろう。こちらが進歩しても相手も同じくそれ以上に進歩してしまう。劇的に現状を変えようとするなら、何らかの「イノベーション」が必要となる。それが出来ないのなら、究極の選択、トップ(監督)交代しかない。

ワールドグランプリの決勝リーグで対戦したブラジルチームのメンバーを見て、日本のメンバーとの明らかな違いを一つ発見した。彼女らは一人残らず、一本でも髪の毛が顔にかからないよう、固くポニーテールに髪を結っていた。おそらくこれは試合中髪が乱れて僅かでも視界をさえぎることがないよう、又乱れた髪を気にして集中力を乱さないよう監督が指示していたのだろうと思う。些細なことのように見えるが、ブラジルが何故世界一であるか其の一端を見た気がする。

まさか柳本監督が、東洋の魔女を率いた「大松監督」のようなスパルタ指導だけで、メダルが取れると信じているとは思いたくないものだ。
by tsune2514 | 2006-10-30 08:30 | スポーツコラム
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